説明したってアンタになんてわかんないよ!


by otosata0

片割れを探す


  『蝉』


蝉がいた。

蝉は鳴いていた。

死ぬのが怖くて、 飛びもせず泣いていた。

もっと長く生きられたなら、 もっと自由に生きられるのにと、 神を呪っていた。

けれどもそんな蝉の願いは聞き遂げられず 蝉は死んだ。


蝉は生まれ変わった。


亀がいた。

亀は泣いていた。

気が遠くなるほど長い間、 重たい甲羅を背負って生きなければならないと嘆き
泳ぐこともせず、 ただ砂の上でじっと泣いていた。


しまうまはライオンに殺されることを恐れ、

牙を持つことを望み

走ることもしなかった、

ライオンは何日も獲物を捕らえられず、

自分が草食ではないことを呪い

狩ることもしなかった。



何度も輪廻を繰り やがて蝉は人間となった。



人間は万能であった。

空を飛びたいと飛行機に乗り、

海を泳ぎたいと潜水艦に乗り、

速く走りたいと車に乗り、

月に行きたいとロケットに乗る。


何かに乗り、何かに囲われ、人間は生きていた。


そうして蝉は80年生きた。

最後は酸素のチューブや点滴に囲まれ生きた。


蝉は神に願った。





目を開けると、蝉は蝉だった。


ジリジリと焦げるアスファルトの上を、汗を垂らし苦悶を浮かべ人間達が歩いていた。


蝉はジジッとひと鳴きし、空を飛んだ。





___________________________



これは☆と私が二人で書いた。
どっからが☆の書いた文で、
どっからが私が書いたものだか、今となってははっきり線が引けない。

☆が墜落させた蝉を、私が最後に飛ばす。そういう文章遊びだった。


☆と会った事はない。鼻がでかい、くらいのことしかしらない。それも、まぁ邪推の一つで実際お目にかかったことは一度も無かった。

☆と喋った事もない。でも私は☆の声を知っている。何百回と読んだ☆の文章はいつもあの声だった。私が作った声。☆の文体が作った声。


☆の文章が好きだった。


☆とはよく文章遊びをした。

今の生身な気持ちなんかは、私たちにはどーでも良かった。

そのドロリとしたものを飾ったり皮肉ったり無視したりしながら、☆といくつもの文章を交換した。

1行だったり数ページだったり。
でも、そのどれにでも宇宙はあって、でも畳みにいるような、そんな世界観だった。


で、まぁありがちだけど、☆はいなくなった。


だから私はHPをやめない。

☆がいなくなっても、私はいて、だから☆が探せば、私は絶対に見つかるように、そういうふうに、そういうように。



___________________________



ちなみに、☆はみきとも仲が良かった。

☆が消えるとき、私は「消えるなら、みきを倒してからいけ」と言った。


瞬殺であったことは、言うまでも無い。
[PR]
by otosata0 | 2006-02-24 02:21