説明したってアンタになんてわかんないよ!


by otosata0

サトウイヂリ



佐藤は、もう地球にいないかもしれない。



目に入れてもいたくないくらい可愛い佐藤と、
連絡が取れなくなって、だいぶ。

私だけじゃなく、地元の男子たちも、連絡が取れていなかった。

どうした佐藤。


私は、ちょっと長めのメールを打ってみた。

打ちながら、

佐藤は、もう地球にいないのかもしれない、と考えていた。


一般概念からいって、
佐藤を思う不毛さは、
死んだ人を思う不毛さに似て、
いつも推奨されない。

でも私は、元気にやってきた。

佐藤大好き。
だーいすき。
うちゅーいちー。

って、やってきた。



あ、メール返ってきた。



半年ぶりくらいの返事。

でも、そのメールを読んですら、思うわけ。


佐藤はもう、この宇宙にすらいないかもしれない、と。


いや、まー、こうやって返事もくるわけだし、
佐藤という男は、そのへんで、まー中野あたりでのうのうと暮らしているわけだけど、

私が佐藤の中に「佐藤」だと感じていた部分は、どっかにごっそり旅立ってしまっていた。


私がもっとも恐れていた事態が起こってしまった。

佐藤の中から佐藤が音沙汰を無くした。


そうして「佐藤」は空中で、さまざまに姿を変えていく。

それは政党であったり、
宗教であったり、
家族であったり、
モラルであったり、
座右の銘であったり、
金銭であったり、
株であったり、
職であったり、
何かであったり、
佐藤であったり、

私の、佐藤であったりしたのだけれど、



云々。


会えば一瞬にして疑いようもなく一直線に世界を丸ごと淘汰していく佐藤も

会えないと、こうしてたまに佐藤を留守にする。

そのたびに私は自分の中の佐藤を、こういうふうに言葉の中でいじくりまわして、

遊ぶのだ。
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by otosata0 | 2006-03-21 11:46