もう少し。あと少しじゃなくて、いまひとつという意味での、もう少し。
2007年 06月 12日
ねぇ、あたしの夢とか、全然見ないんでしょう?
ロボットみたいな厳ついヘッドフォンで頭を抱え込みながら、
連れ去られそうなほどの桑田佳祐を聴いている間中、
あなたのこと考えてる。お得意の論法で、こねくり回している。
もっと無口で、静かで、動かない盆栽みたいなものに入れ込めば良いのに、
人みたいな勝手気ままで掴み所の無い上に、各々に意思が存在しちゃうような
複雑で面倒なカラクリに固執しちゃうと、
いつか、あなたは私のこと大っ嫌いになるんじゃないかしら?
って思うくらい私はヒドイ用法で、それこそムツゴロウみたく あなたを構うよ。
しかもね、「信頼」とか「尊敬」とか「見え隠れする崇高さ」とかを片手に、
これ無碍にしたら最低人間になっちゃうよ~?みたいな嫌なやり方で迫るよ。
だから一回くらい遊んでよ。思ってよ。そこそこイヤじゃないでしょう、本当のとこ。
なので、二人で終電逃しましょう。
なんでもいい、今後の医療情勢について、なんなら私の仕事上の悩みについて、
「相談にのって欲しい」って私が言った時に、「わかったよ」って言えばいい。
で、二人で終電を逃すわけ。
もちろん、程よく酔った上で。
・・・みたいなことを、ガンガンに考えている。
同じことを何度も、桑田をリピートする回数と比例させるように考えて、
加速するように具体的にしてる。今にでも実践できるくらいに。
ああ、もう外が明るい。
空気抵抗が無い場所で人を思うように、小さな力でいくらでも滑って行ってしまう。どんどん遠のける。
ただ昨日、声をかけた時、少し手を振られただけで。
一瞬で、線がグッと結ばれてしまった。
全世界に説明したい。どんなにその手の振り方がキュートだったか。分度器片手に角度を計って説明したい。自然に自分も振りかえしてた瞬間が、どんなふうに嬉しかったか。朝の駅頭で説明したい。
そんなふうに、いつも、小さなことで、悶えてしまう。
男の人の一挙手一投足に、全力で惑ってしまう。
一つの瞬間のことを、擦り切れるほど考えてしまう。
やまないカーテンコールに、何度もあなたは私の脳みその舞台袖から小走りで出てきては、
同じように手を振る。ブラボー。アンコール。もう一回。
でもね、あなたはさぁ~
ねぇ、あたしの夢とか、全然見ないんでしょう?
「あたしの」と言うか、「あたしに」。
by otosata0
| 2007-06-12 06:36